「理想の酪農を求めて」 岩谷牧場
小さい頃から「北海道で酪農したい!」という理想を追い求めて、新規就農に至ったご夫婦がいます。
今回は、岩谷牧場 岩谷さんご夫婦(北海道幕別町)にお話を伺いました。
△智恵さん(左)と史人さん(右)
(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」38号/2017年春号より転載)
理想の酪農を求めて
―岩谷牧場さんについて教えてください。
史人さん
うちの牧場は全部で60頭ほど。作業は夫婦で分担しており、私は親牛担当で日々の搾乳や人工授精などを、妻は子牛を担当しています。
―従業員の方はいらっしゃいますか?
史人さん
正規雇用はいませんが、酪農ヘルパーさんにお願いしたり、大学生がバイトや実習でよく来ます。特に学生さんには実際の作業をたくさん体験してほしいですね。
智恵さん
小さな酪農家で体験するからこそ学べること・教えられることが沢山あると思います。除角やワクチネーションなども一緒にすることがありますが、「普通のバイトだと経験できないので勉強になった」と話す学生さんもいますよ。学生さんの将来の夢を聞くのも面白くて楽しみの一つです。
史人さん
私自身、小さい頃から「北海道で酪農したい!」と思い、夢が叶って新規就農できました。その時から、この規模、このやり方の酪農が理想的でした。
―岩谷さんは新規就農者なのですか?
史人さん
そうです。妻も私も出身は本州です。妻とは大学時代の同級生で、妻も将来は北海道に住み動物の仕事をすることに憧れていました。その後いろいろご縁をいただき、平成11年からこの場所で牧場を始めました。
就農の際は「公社営農場リース事業」を活用しましたが、やはり資金面は大変でしたね。その事業は牛も施設も土地も全部含めて貸すというもので、総額1億円になりました。5年据え置きで返済していくのですが、牛と施設は減価償却が終わっているので、返済自体は6千万円くらいです。ただ、今の時代に同じ規模で新規就農しようと思うと、もっとかかると思います。
あと、就農当時はトラクターもなくて実習先の方にお借りしていたのですが、牧草収穫が遅いのを見かねた近所の方々が手伝いに来てくれるなど、すごく助けていただきました。地域の方々にも本当に感謝しています。
―最後に、学生に一言お願いします!
智恵さん
多くの学生さんは牛を扱うことに慣れていないので、牛は逃げるし、十分気を付けないとケガをする恐れもあります。でもそうしたことは、理屈ではなく経験を積んで覚えていくことなので、どんどん経験してほしいですね。
史人さん
農業はやりがいのある仕事!それに、これからの地域や農業を作るのは「よそ者・バカ者・愚か者」だと思う。だからこそ、学生の間は色々なところで実習をして農業の価値を体感して、将来は農業を仕事にしてほしいですね。
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