牛がしっかり応えてくれる。それが酪農の魅力!
(有)広野牧場

「実家は農家じゃないけど、農業を仕事にしたい!」と考える学生さんも増えているのではないでしょうか。特に、非農家の方(家業が農家でない方)で農業をしたい場合、まずは農業法人で経験を積まれることをお勧めします!そこで、農業法人へ就職し農業をされている先輩方に、入社のきっかけや仕事内容、農業の魅力などお聞きしました。
(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」34号/2016年春号より転載)


 「手間をかけた分、牛が応えてくれる。成果が見えやすく、やりがいも大きい仕事です!」
 活き活きと酪農の魅力を語る(有)広野牧場のスタッフの皆さんは、なんと8割が女性。今回は社員さんのうち、中川佑子さん、古市詩織さん、石原史さんに、酪農を仕事に決めたきっかけや魅力を伺いました!

入社7年目・中川佑子さん


△中川佑子さん(左)と、代表取締役 広野豊さん(右)

―「酪農を仕事にしよう!」と思ったきっかけを教えてください。
 小さい頃から動物が好きで「将来は動物に関わる仕事がしたい」と思い、北海道にある帯広畜産大学に通っていました。そのとき酪農家さんでバイトをする機会があり、牛の可愛さと酪農業の気持ち良さに魅了されました。朝早く起きて太陽の下で1日を感じながら仕事をするというリズムが、自分に合っていたのだと思います。
 卒業後は北海道の牧場で働きたいと思っていたのですが、親から「地元で就職してね」と言われていたこともあり、地元・広島県に戻りました。ただ、就職先が屋内仕事だったこともあり、「外で働きたい。牛の仕事がしたい」という気持ちが強くなり、1年勤めた後、ここへ転職しました。

―広野牧場さんは何で知りましたか?
 大手転職サイトで見つけました。酪農だけでなく、酪農教育ファーム、パン屋やジェラート屋の運営、関連会社に苺の観光農園があるなど幅広く取組んでいる点や、「地域や日本農業全体を良くしていきたい」という考えに魅力を感じました。

―普段はどのような仕事をされていますか?
 私は搾乳と親牛の管理がメインです。朝5時から搾乳し、11時頃までに牛舎の掃除を終わらせ、その後は、発情している牛がいたら種付けをし(※大学時代に家畜人工授精師を取得)、壊れている物があれば修繕します。午前の仕事はそれで終わり、13時~15時までお昼休憩で、15時から午後の仕事が始まります。はじめに全体ミーティングをして、牛の状態で気付いたことや困っていること等を共有し、それからエサやりや削蹄の手伝いなどをして17時頃に終了します。これは私の基本的なスケジュールですが、午前の種付けが「まだ早いな」と思ったら夕方にすることもありますし、分娩にあわせて夜まで残る場合もあります。
 牧場には、親牛が約300頭・仔牛が約50頭います。その管理を主に正社員9名、パート・バイト5名で行っていますが、朝のエサやりや夕方の搾乳をするスタッフ、仔牛を育てるスタッフ、大型機械で堆肥の切り返しをするスタッフ、機械整備や配管をするスタッフなど、様々な業務に携わっています。ここに就職して「酪農は仕事の幅が広い」と感じました。日々いろいろなハプニングも起きますが、スタッフで協力しながら乗り越えています!

―いろいろある中で「酪農やってて良かった!」と思うのはどんな時ですか?
 手間をかけた分、牛が応えてくれた時ですね。例えば、乳量を増やそうと1回で与えるエサの量を減らして回数を増やしたら本当に乳量が増えたり、搾乳の時お乳に付いてる汚れを綺麗に拭き取ってから搾ると病気にかかる率が減ったり、牛はきちんと応えてくれました。酪農は成果が見えやすい仕事だと思います。
 それに広野牧場では、チャレンジできる場をたくさん与えてくれます。例えば、スタッフの中で「もっとこんな風にすれば作業効率が上がるのではないか」と考え提案すると、ほとんどの場合GOサインが出ます。実践して、改善して、また取組んで、という風に仕事ができるので楽しいですね。他にも、社外の会議に同行させてもらったり、必要な資格を取得させてもらったり、新入社員や農業インターン生の教育に携わったり、様々なスキルを身につけることもできます。私は将来、独立したいと思っているので、仕事を通してたくさん学びたいと思います!

―最後に、学生に一言お願いします!
 酪農は気持ちの良い仕事です。確かに朝が早かったり体力も使いますが、どんどん慣れてきます。まずは体験して、酪農の魅力を感じてください!

入社3年目・石原史さん

―入社のきっかけを教えてください。
 大学卒業後、大手飲食店で働いていたのですが、「転職したい」と思い、興味のあった食育関連の仕事を探しました。その時、農業の求人サイトで広野牧場が酪農教育ファームに取組んでいることをで知り、入社を決めました。

―どのような仕事をされていますか?
 メインは大型機械での作業です。堆肥を削ったり、新しくきれいな堆肥を牛舎にまくなど、牛が過ごしやすい環境を整えています。機械操作は去年から担当になりました。上司に「何がしたい?」と聞かれ「運転が好きなので機械に乗りたい」と伝えたことがきっかけです。

―印象的だった出来事はありますか?
 乳房炎になり立てない状態になった牛を皆で治療し、元気になってまた搾れるようになったことですね。人間の手ひとつで、牛の命が左右されることを実感しました。一生懸命やった分、牛も応えてくれるところが酪農の魅力です。今後は色々なスキルや資格を身につけて、仕事の幅を広げていきたいと思います!

入社1年目・古市詩織さん

―「酪農を仕事にしよう!」と思ったきっかけを教えてください。
 動物が好きだからです。大学では生物化学を専攻しており、就活の時は一般企業も見ていましたが、いまいち仕事のイメージが掴めず、ハローワークで発見した広野牧場に就職を決めました。

―新卒で入社されたのですね。実際に働いてみていかがですか?
 牧場なので「搾乳してエサやって」ということを想像していましたが、機械整備や掃除など、それ以外の仕事も多く、毎日忙しいですね。あと、最初は「考えて仕事をする」という意味が分からず、加えて仕事がどんな風に回っているのかも理解できず、よく怒られていました。入社当初は「自分はこの会社に本当に必要なのだろうか」と悩む時期もあったのですが、スタッフの優しさに助けられ、仕事への理解も深まり、今はすごく楽しいです。

―学生にメッセージをお願いします!
 自分が好きで決めた仕事なら、辛いことがあっても乗り越えられると思います。また、想像していた仕事と実際の仕事が違う場合もけっこう多いと思いますが、状況に合わせて仕事をすることが大事だと思います。頑張ってください!


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