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農業界で働く方々の声を聞く


若手社会人インタビュー

農業関連企業で働く先輩は、学生時代にどのような就活をしていたのでしょうか?
就活秘話をお聞きしながら、現在の仕事の内容やその業界の魅力について伺います!

世界の農業に貢献したい!

今回お話を伺ったのは、社会人3年目の松﨑永志さんです。松﨑さんは学生時代に農薬業界に関心を持ち、新卒で日産化学株式会社に入社。現在、農業化学品事業部 海外本部 市場開発部 にて、主に海外で農薬を販売するための仕事をされています。
(取材:2020年5月 ※新型コロナウィルスによる影響は除きます

プロフィール

● 松﨑 永志(まつざき えいじ)
小さい頃から動植物が好きで、小学生の頃は非農家ながら家庭菜園で野菜を10種類ほど育てる。動植物について学ぶため、東京農業大学 農学部 バイオセラピー学科へ進学。2018年3月に卒業し、同年4月より日産化学株式会社に入社。現在に至る。


世界の農業に貢献したい!

―はじめに、どのようなお仕事をされているか教えていただけますか?
 当社は研究開発型の化学メーカーであり、機能性材料や農業化学品、化学品、医薬品の研究開発・製造・販売に取り組む会社です。事業の一つに「農業化学品事業」があり農薬の研究開発や製造販売をしていますが、私が所属する海外本部 市場開発部では、海外の市場を開拓して自社製品の販売につなげる仕事をしています。
 具体的には、まず、海外の農薬の市場情報を調査し、販売先を決めます。マーケットリサーチでは、どのような農薬がどういうふうに使われているのか、どのくらいの値段で販売されているのか、その国の農業において何が問題となっているのか、などを調査します。そして販売先が決まったら、その国で販売許可の登録を取ります。また、登録をとるためにその国で試験を行いますが、それを現地のパートナーや取引先と組んで企画・実施します。こうした過程を経て製品を販売できますが、これら一連の流れを担当しています。


△台湾での圃場調査での一コマ(左端)

―販売までに様々な過程を経るのですね!具体的にどのような国を対象にされているのですか?
 対象は世界各国ですが、私がいま担当している地域は、アジア圏だと韓国と台湾がメインで、他には中東地域、アフリカ、ロシア、などです。エリアが広いので海外出張へ行く回数も多いですね。

―広範囲ですね!ところで、海外担当になって今のような仕事をすることは、入社前から想像されていましたか?
 はい、私は学生時代から「海外で農薬に関わる仕事をしたい!」と思っていたので、希望の職種に就けた形です。そのため入社前と入社後で大きなギャップはなかったのですが、あえて言うなら2つあります。
 1つは、入社前は「最初は国内で仕事経験を積むのかな」と思っていたのですが、最初から希望の職種に就けたことです。もう1つは、責任の大きな仕事を色々任せてもらえていることです。先ほどエリアの話をしましたが、私の所属する部署は全員で6名です。他部署と協力しながらこの人数で全世界を担当しています。そのため、各々が担当する国や地域もおのずと広くなり、担当者一人当たりが責任を持つ金額も大きくなるのですが、若いうちからこのような責任のある仕事に就けるとは思っていませんでした。嬉しいギャップでしたね!

学生時代の経験と就活

―そうなのですね!ところで、もともと「海外で農薬に関わる仕事をしたい」と思われていたとのことですが、いつ頃から考えていましたか?
 大学2年生ぐらいから「農業と海外を軸に仕事がしたい」と漠然と思っていました。そのなかで農薬業界を志望したのは、農業生産への貢献度が大きいと思ったためです。
 その要因は大きく2つあります。1つ目は、これから世界的に人口が増えていくと予測されていますが、そうなると必要な食料も増えていくため、限られた土地の中で効率的に単収を上げることが重要になってきます。その点で、病害虫や雑草を防御する農薬は、農業生産に貢献できるのではないかと思いました。2つ目は、学生時代に様々な途上国に足を運んだ際に、誤った方法で農薬を使用している現場を見たことです。そういう地域で農薬の正しい使用方法を広めたいと感じました。

―学生時代から様々な国へ足を運ばれていたのですね。どのような国へ行ったことがありますか?
 途上国にも先進国にも行きました。留学もあれば旅行もありますが、1回の旅行で数か国を回ることもあるので、トータルで15か国は行きました。
 例えば、大学2年生の時はインドネシアに短期留学をし、現地の大学生と一緒に2~3週間インドネシアの農業や食、自然を学びました。また、大学3年の夏ごろから就活を始めていましたが、そのなかで「もっと語学力を磨きたい。一つの地域に根差して学びを深めたい」と思い、大学4年生の時に1年間休学をしてブラジルに交換留学へ行き、農業や語学をじっくり勉強しました。旅行では、バックパックを背負って東南アジアやヨーロッパへ行き、長いときは1か月くらい周遊していました。学生時代のバイト代は海外旅行のために貯めていたようなものです(笑)。


△ブラジル留学の様子①(大豆畑訪問)


△ブラジル留学の様子②(ブラジル人とのシェアハウス生活)


△旅行の様子(東南アジアをバックパッカー中。バンコクにて)

―楽しそうですね!ところで、学生時代の就活についてもう少し詳しく伺いたいのですが、具体的にどのように就活をされていましたか?
 合同説明会や企業説明会への参加やインターネットでの情報収集が中心でしたが、それだけでは見えてこない部分があるので、実際に色々な企業の方と直接お話をする機会を作っていました。例えば、ブラジル留学中には現地で活動する日本企業の方と交流をしたり、学生時代はNOPPOで学生スタッフをしていましたが、取材という形で様々な農業者や企業の方にお話を伺いました。
 就活で大事なことの一つは、自分の価値観や考え方が企業と合っているかどうかを知ることだと思います。それを判断するためには、色々な企業の方の話を聞き、比較することが重要です。


△学生時代の取材の様子

―農薬以外の分野も見ていましたか?
 見ていました。例えば、種苗、農業機械、JAグループ、食品企業など農業に関わる企業を見ていましたし、学生時代は生薬(漢方の原料)の研究室で学んでいたので漢方を取り扱う企業も見ていました。
 そのうち実際にエントリシート(ES)を出したのは25社くらいで、ESが通ったのは18社くらいです。選考途中で辞退した企業を除けば、最終的に内定をいただいたのは5社です。そこから当社を選んだのですが、ほかの4社に辞退の電話をする時は、人事の方の顔が浮かび結構つらかったですね。

仕事の楽しさ・やりがい

―就活にも様々なドラマがあるのですね。現在、入社3年目とのことですが、仕事の楽しさややりがいなど教えていただけますか?
 まず楽しさは、現地の農家さんと話をすることで、その国の農業を知ることができることです。国によって育てている作物が異なりますし、その作物で問題となる雑草や病害虫は全然違います。それらを解決するために当社の農薬が一役買い、その国の農業を取り巻く問題を解決できることにやりがいを感じます。
 また、難しさでもあり面白さでもあることは、国によって食文化や人々の生活、価値観が異なることです。そのため、出張先では会話の中身に非常に気を遣います。「気を遣う」といっても、マイナスの意味ではなく、面白いと感じています。例えば、出張前にはその国についてよく調べるなど事前準備をするのですが、現地へ行った時に「そんなことまで知っているとは!」と喜んでもらえることもありますよ。食事のマナーを学んでおくことも重要ですね。


△韓国での圃場調査の一コマ

―そうした準備も重要なのですね。海外出張も多いと思うのですが、普段の仕事スタイルや、ライフスタイルにも教えていただけますか?
 基本的には、1か月のうち1週間は出張に行きます。残りの3週間は、東京にある本社に出社し、メールや電話でお客さんとコミュニケーションをとったり、次の出張に必要な資料作成などをしています。会社の定時は9時から17時40分で、基本的に定時退社をしていますが、出張が多い時はどうしても仕事が溜まってしまうので、たまに残業をしています。
 プライベートでは、友人に会ったり、趣味で英会話やポルトガル語の教室にも通っています。趣味の範囲ではありますが、仕事にも役立てばいいなと思っています。

―今後の目標を教えてください!
 この4月で社会人3年目になりました。やっと仕事を覚え、仕事の全体像が見えてきた段階です。そのため、これから取り組みたいことの1つは、与えられた仕事をこなすだけではなく、現場のパートナーや農家さんにとってよりよい仕事ができるよう自ら工夫していきたいと思っています。
 加えて、自分自身の農学的な経験値を増やしていきたいと思っています。私は大学で農業基礎を学び、仕事を通し農薬の使い方は知識としては身に付いていますが、実際に自分で使う機会はあまりありませんでした。そのためこれからは、個人的に市民農園等を借りて作物を育てながら自社の農薬の効果を体感したり、土日を利用して農家さんを訪問して栽培技術を学んだり農薬や肥料などの資材の使い方についても学びたいと思っています。楽しそうじゃないですか?(笑)

―楽しそうです!最後に、学生へメッセージをお願いします。
 やりたいことは、迷ったらやるべき!「学生ですが教えてください。やってみたいです」と言えるのは、学生の特権です。学生だからこそできることはいっぱいあると思うので、興味を持ったことは、とりあえずやってみる。やってみて、ちょっと違うと思ったらやめればいいし、面白いと思ったらトコトン突き詰めると良いと思います。
 また、いろんな世界を知るために海外に行くことも良いと思います。お金は頑張って貯めないといけないですが、夏休みなど長期休暇に海外に行って、現地の空気感や人の温かさを感じ取ったり、刺激を受けたりする経験は非常に貴重です。あとは、、、単位を取って卒業することですね!

リンク

日産化学株式会社
https://www.nissanchem.co.jp/


※記載情報は取材当時のものです。
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