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学生団体FaVoに潜入!

全国には農業をテーマに活動する学生団体が数多くあります。「学生団体FaVo」もその一つ。
今回は「学生団体FaVo」が実施する「農業体験遠征」に参加した学生スタッフがレポートします!
(取材:2018年8月15~18日)

レポーター: 学生スタッフ 大喜多 薫

 私立文系の女子大生。農業初心者。NOPPOにてフリーペーパー「VOICE」の制作に携わる。FaVoの代表 外山雄士君とはNOPPOの取材で知り合い、「コラボとして何かできればいいね」と話していたところ今回の「農業体験遠征」に誘われた。
 二つ返事で行くことを決めたが、実は本格的な農業体験は今回が初めて。「農業体験って何するの?何をもっていけばいいの?私が混ざっていいの?」と質問を連発。他のFaVoのメンバーには当日の朝に挨拶をして、ドキドキのまま長野へと向かったのだった・・・。


まずは、団体紹介!

学生団体FaVoてどんな団体?

「農業関連を学ぶ大学に来たけれど、実習が意外と少ない」「大学生になって農業に興味を持ったけれど自分の学部や大学では農業の勉強する機会がない」
―そんな大学生の受け皿として2013年にFaVoは誕生しました。現在メンバーは50人程。
特徴として注目すべきは農業の学生団体だからといって、農業専門の学生ばかりではありません。経営学部や文学部の学生さんもいます。
・都内の大学生が集まって、農家さんの元を訪ね「リアルな農業」を体験する。
・自分たちでイベントを企画して情報を発信していく。
学生団体は、学生が主体になっているからこそできる自由さとアクティブさが魅力!
まさに農業と大学生をつないでいる組織だと言えます!(この点はNOPPOと似ていますね)

今回の遠征先:ベジアーツさん(長野県)


(ベジアーツの皆さんとみんなで集合写真)

 今回お伺いしたのは長野県北佐久郡御代田町にある株式会社ベジアーツさん。レタス、サニーレタス、グリーンリーフ、パクチーなどを栽培しています。質の高いレタスはモスバーガーにも提供されているので、実は口にしたことがある方も多いかもしれません!
 浅間山のふもとで水はけのよい土壌で標高は700m~1300m。夏場も涼しく高原野菜の生産が盛んです。代わりに冬の訪れは早く、毎年12月末からは2週間ほど冬休みを会社でとっていらっしゃるとか。「農業をもっと楽しく、野菜をもっとおいしく、地域の皆に喜ばれる農場を創る」をモットーに、毎日「幸せづくり」を農業を通して実現しようと成長を続ける農業法人さんです。

FaVoとベジアーツさんの関係

  今回の遠征は2泊3日の農業体験で、参加メンバーは私を含めた8人。農地の整備から定植・追肥・収穫などの作業に関わらせていただきました。
 実はFaVoは毎年2回ほどベジアーツさんに遠征に来ているのだとか。夏には会社のBBQに参加することもあるそうで、社長の山本さんをはじめ社員の皆さんも「FaVoの子たちまた来てくれたのね!」というすっかり顔なじみの印象。こうやって農業初心者の学生も明るく受け入れてくださる農家さんって素敵ですね。「農家の方って職人気質で怖いのかな?」と思いきや、とっても気さくに話しかけてくださるし、なにより明るい方ばかり。邪魔者扱いされるのでは?とビビっていた農業初体験の私の不安もすぐに解消されました。嬉しいことに「農業と全然異なる畑の人とつながることが普段は無いので、私たちも学生さんが着てお話してくれることがすごく新鮮で楽しいんですよ」というお言葉も。
 FaVoのメンバーは毎回顔ぶれが変わっても、「FaVo」として農家さんに覚えてもらい、関係を築くことができるのが団体の強み。「現場に行ってみたい!」「農業体験したい!」と思ったときの「はじめの一歩」のハードルを下げてくれるのがFaVoをはじめとする学生団体の良さなのではないでしょうか。


いざ、現地へ!

移動時間は大事な会話の時間!

 何気に驚いたのが、移動方法。新宿駅で待ち合わせて、乗り込んだのはメンバーが運転する大きめのレンタカー!てっきり高速バスか電車で向かうものだと思っていた私は驚きました。理由は、その方が安くすむことと現地に行ってからの移動も車があると便利だからなのですが、個人的には「自分たちでやる」という感じが色濃く反映されているのがこの車での移動だと思いました。
***
 なにより移動時間は大事なコミュニケーションの時間。行きは、はじめましてのメンバー同士の挨拶から始まり、今回の遠征についてワイワイ話して期待を膨らませながら3時間。
 長野についてからも農園と宿泊所までの間の車内では今日の体験の感想を話をしました。農園では作業に追われ、またチームで分かれて作業するため情報共有することがお互いにとって学びにもなり、また自分自身の振り返りにもなります。連泊するといっても宿泊所に着けば疲れてすぐ寝てしまうことから、意外と話をする時間があるようでないのです。最後に東京に帰るときは今後のFaVoについて話をするメンバーの姿もありました。今回の私の取材も車内で移動中にお話したことがたくさんあります。


農業体験やってみた

 連日猛暑だった東京をでて、長野にやってくると長袖でも十分の涼しい気候。とはいえ今年の夏は長野も酷暑だったようで、思うように生長していないなど収穫にも影響がでたそうです。
 作業は2チーム(4人ずつ)に分かれて行いました。

1日目 ~私にもできる作業!

 1日目はお昼からの作業。
 ひたすら草取りをします(写真は私ではありません・汗)。これはなんの経験値もいらないため、数として参加できる手伝いに安心。広大に思えた農地も沢山の人数で取り掛かればあっという間。とはいえ慣れない作業は疲れやすいもの。農業経験が少ない私たちを気にかけ、こまめに休憩を取ってくださる上に作業するときも沢山お話をしながらワイワイやることで疲労感を楽しさがカバーしてくれました。

2日目 ~初心者ゆえに頑張りすぎると…

 2日目朝は4時に起床。

 5時には会社に向かって、朝日を浴びながらレタスを収穫。この朝日が予想以上に体力を奪います。なぜなら長野の日光は東京よりもずっと太陽が近くに感じるため刺すような痛みを背中に一心に受けるのです。
 そんな中でのレタス収穫。1時間も作業を続ければ、私は一人汗だくに。途中で心配になったであろう山本社長が差し入れしてくださった経口補水液が「甘く感じる・・・」とごくごく飲んでいると、「経口補水液が甘いのはやばいよ、脱水症状だから休んだほうがいい!」とすぐさまストップ。農業初心者、何が怖いかというと自分の限界がわからない。周りにあわせて頑張らなきゃ!と必死になっていると、つい無理をしてしまうそうです。
 山本社長に「社員の半分できれば十分くらいでやらないと倒れちゃうよ」と言われていたのに、そんな状態だから、私はさらにペースを落として参加することに。非常に申し訳ない気持ちと、倒れたらもっと迷惑かけるという想いの天秤の上で人一倍休憩を取りながら朝の作業をなんとかやり終えました。
 朝ごはんはレタスを食べながら一息。風が出てきて朝よりも涼しく感じたこともあり、体力も復活。倒れない!を目標に自分の体力を様子見しつつ作業を続けます。

 そのあとは別の畑に行って、追肥や定植(苗を植える作業)を黙々とお手伝い。パクチーのハウスにも行って草取りや収穫をさせてもらいました。ここ数年で圧倒的女子人気を誇るパクチーは、根っこからあの独特の香りがすることに驚き。ちなみに収穫仕立てのパクチーは癖が強すぎないため苦手な人も食べられる!と感動していました。雨の予報だったので15時半には終了し、みんなで温泉に行きました♪

 ちなみに普段から社員の皆さんも朝は早いけど帰りはきっちり17:15まで。終わりの時間を意識しているのだとか。これはベジアーツという会社をもっと会社らしくしたいという山本社長の想いから。農業で長く働きたいと思える組織づくりをするためにも農業の労働としての過酷さを「あたりまえ」にしてしまわないことを意識されているそうです。

3日目 ~作業から学んだ人生の教訓

 2日目は普通に起きれた4時起床がすでにキツく感じました。これが毎日だなて農家さんって凄い…と思いながら、この日はなんと15度。長袖でも肌寒いすっかり秋のお天気の中サニーレタスを収穫します。

 なんと実際に包丁つかって切る作業もさせてもらいました。難しくてうまくいかなくて、これではせっかくのレタスがボツになって出荷できないのではないか?と泣きそうになりながら「できません」という私。そんな私に「大丈夫だよ慣れ慣れ!何個かダメでも大したことないから!ゆっくりでいいよ!」という優しいお言葉。このおかげで再チャレンジしてみる勇気が出た私は思い切ってレタスを切れるようになり「収穫、楽しい!」と思えるまでになりました。
 声掛けの大事さを改めて実感。そしてなんでもやってみないとわからないから、逃げていてはだめだ!と人生の教訓まで学びました。(下写真:泣きそうになりながら作業する私)

 この日の朝ご飯は農場でいただきました。一作業してから青空の元食べる採れたてBLTは格別!!味付けも何もないのに口の中一杯に溢れるみずみずしさとほんのりした甘み、シャキシャキ感が体中におはよう!と言っているようです。

 最後にレタスの袋詰め作業をお手伝いもしました。
 夏休み中の社長の娘さん(7)が一から私にやり方を教えてくれて一緒にお手伝いをしました。

 こんな感じで、あっという間に3日間が終わりました。


農業体験を通して・・・

農業に必要なのはコミュニケーション力だ!

 農業体験にきて気づいたことは「いかにコミュニケーションが取れるか」ということの大切さ。一人で何かするということはほとんどなく、基本チームでの作業になるため、畑間の移動や作業中・休憩中など仕事時間内外で話をするタイミングがたくさんあります。その時々で自分からお話を聞こうとする姿勢や皆が参加できる共通の話題を提示できるかどうかで「農業体験」そのものの実感や学びの大きさが変わるのではないかと思いました。
 なかには「質問するのは難しい…」と思う人もいるかもしれないけれど、相手から話してもらうことだけでなく、ひとつでもこちらから聞いてみることで、より詳しい話を聞くことができると思います。これは農業に限らないことだとも言えます。また、これは私たち体験者だけでなく、実際に農家のお仕事ととしての大事な要素でもあると思いました。都会にはない昔からのつながり、地域ごとにあるしきたりや人間関係、絶対的に必要なチームワーク、農業をやるにあたって適切に意思疎通を行うことが農作業をするためにどれだけ大切なことか行ってみて、またそこで働く人の声を聴くことで初めて感じることができました。

農業に欠かせない天気と気候の話

 ベジアーツさんの農地は標高700m~1,300m。高めの標高ならではの気候事情に驚かされました。
 1つ目はころころ変わる天気。晴れていたと思ったら1分ほど雨が降ったり、雷の音が聞こえたと思ってみると遠くの方で局所的に雨が降っている様子が確認できたり。標高が高いということを踏まえても変化の速さに驚きを隠せませんでした。まるで登山のときの様。なんと雹が降ることもあるそうです。大粒の雨や雹はレタスの葉に穴を開けてしまうため、商品の価値は大きな損われてしまう原因になりかねません。毎日お仕事をされる皆さんでさえ「天気予報はあてにならないから自分たちで空模様を見て判断するしかない」と、にらめっこする日々だそうです。
 また、朝晩は寒く、日中は暑いのも長野ならでは。太陽が近いのか直射日光の威力が東京とは全く違います。日中はまっすぐ自分に向けてくるため光が体を刺すような痛みを感じる反面、朝晩は長袖でも肌寒いくらいに冷え込みます。私たちが訪れた日は全国的にも気温が下がったため長野では15度という完全に秋の装い。特に朝は夜明け前の一番気温が低い時間に起きるため、体にも結構こたえるものがありました。


FaVoのこれから

 FaVoは毎年11月に世代交代をするそうで、次は2年生を中心とした代になるそうです。
 個人個人のモチベーションの差はある程度あるものの、FaVoとしての印象は一人一人の体験での姿勢で判断されてしまうもの。ゆるっとした集まりではありながらもガッツをもって取り組みたい。色々な思いをもったメンバーをまとめるために一つ一つの体験を有意義にするために、体験前には今回の目的を言語化して共有し、体験後には感想をまとめる。それだけで「自分の中で遠征して実際に体験した『農業』をきちんと確立することができる」と代表である外山雄士君は話します。
 「農業を知りたいという思いはもちろんのこと、高校生までは家族や学校の先生としかほとんど大人に出会ってこなかった僕たちにとって、いろんな大人がいるということを知れるということも重要な出会い。FaVoにいるからこそ出会える人たちがいるので、そういうところも団体として大事にしたいと思って活動してきた」。外山君の真っ直ぐな声が胸に響きます。
***
 食べること・つくること・育てること。FaVoに集まる学生は皆まっすぐな思いを持ってやってきます。その思いが農家さんにきちんと届いているからこそ、皆さん笑顔で毎回迎え入れてくださるのだろうな、と今回参加して感じました。


リンク

 FaVo
・公式サイト⇒ https://favocult.jimdo.com/
・facebook⇒ https://www.facebook.com/favo.farming.favorite/

 株式会社ベジアーツ
・公式サイト⇒ http://vegearts.co.jp/
・facebook⇒ https://www.facebook.com/vegearts/



※記載情報は取材当時のものです。
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