「繁殖技術を活かして家業を発展させる!」
畜産農家 熊田貴智さん

大規模な畜産経営を展開する株式会社ジェイイーティファームでの社員時代に、ご実家が畜産農家の女性(同社員)と結婚し、婿入りした熊田さん(31)。仕事のやりがいや今後の目標を伺いました。
(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」37号/2016年冬号より転載)

繁殖技術を活かして家業を発展させる!

―まず、ジェイイーティファームさんに就職したきっかけを教えてください。
 実家は非農家ですが、動物が好きで大学は農学部に進学しました。最初は動物福祉に興味があり「命あるものを大事にしなきゃいけないよ」ということを学びたかったのですが、「そもそも、命を食べるとはどういうことかを学ばないと、それも言えないのかな」と思い、畜産を専攻しました。そこで学んでいるうちに「畜産も楽しいんだな」とだんだん意識が変わって、卒業後は畜産業に就きたいと思い、規模と技術的な内容に魅かれてジェイイーティファームに就職しました。

―どのような仕事をされていましたか?
 入社後1年間は搾乳を担当し、その後4年間はずっと繁殖を担当し、妊娠検査や人工授精をしていました。もともと「牛に関わる仕事がしたい」と思っていたので、どんな仕事も楽しかったですね。

―奥様とは社内結婚し、今は奥様の家業へ入り肉牛肥育をされていると伺いましたが、もともと「畜産で独立したい」という気持ちはありましたか?
 半々ですね。現実的に、非農家から畜産で新規就農するとなると資金面で相当ハードルが高くなりますから。ただ「独立したい」という気持ちもあったので、農家の跡取り娘と結婚して家業を継承すること自体は高いハードルではありませんでした。

―家業に入り、やりがいや大変なことなどを教えてください。
 うちは3世代6人で、和牛肥育120頭と、米17ha、そして野菜生産をしています。大変なことは、この人数でこの規模を回さないといけないことですね。人を雇うとなると人件費などまた別の壁がありますから。
 やりがいは、新しいことを始められた点です。これまでは乳牛の一部門を仕事としていましたが、今は和牛の肥育に関すること全部が仕事で、しかも和牛の哺育や肥育の知識は全くなかったので、イチから勉強しています。新しい知識もたくさん増えて、それをすぐに実践できて、できあがったお肉の質も確認できるので、楽しいですね!

―今後の目標を教えてください。
 今は肥育だけですが、ジェイイーティファームで学んだ繁殖技術を活かして、繁殖も始める予定です。繁殖ができると、例えば血統から牛を産み出すことも出来ますし、牛の育て方も手をかけた分だけ子牛に反映されてくるので結果が目に見えるんですよね。そして、その子牛を肥育してお肉にすると「あれは良かった。これはダメだったから次はこう改善しよう」というところまで全部見えてくるので、すごく楽しいんです!将来的には、繁殖と肥育をあわせて1,000頭まで増やしたいと思っています。どんどん規模拡大もしたいですし、法人化も目指したいですね。

―最後に、学生に一言お願いします!
 祖父や父の世代は「作ったものを農協に出荷して終わり」でしたが、今は「いかに売るか」ということも課題です。うまくやっていく必要もありますが、やればやった分だけ販路も広がると思います。
 農業は成果が見えやすい職業ですし、楽しいですよ。あんまり大きなことは言えないですが・・・、みんなで日本の農業を盛り上げていきましょう!


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