未来に向かう農園で、好きな仕事をしています!
小島農園 菊池優理さん

法人化はしていなくても農業法人や一般企業と同じように人材を雇用し育成している家族経営体もあります。千葉県旭市にある小島農園さんもそのひとつ。そこで今回は、新卒雇用3年目の菊池さんと、採用担当の小島夫妻にお話を伺いました!
(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」43号/2018年夏号より転載)

未来に向かう農園で、好きな仕事をしています!

【新卒雇用3年目】
菊池優理さん
日本大学 生物資源科学部 植物資源科学科(現:生命農学科)卒業

―小島農園さんで働こう!と思ったきっかけを教えてください。
 中学生の頃に農業体験をする行事があり「自然につく仕事っていいな」と思っていました。そして、大学時代に所属していたサークルや研究室での畑作業を通して「トマトを栽培する仕事に就きたい」と思うようになり、農業専門の求人サイトで就職先を探している時に出てきたのが小島農園でした。

―そうなのですね。当時の就活について詳しく教えてください。
 就活の時はそのサイトしか見ていませんでした。実家は神奈川県で雪が降らない地域なので関東圏で同じような気象条件のところ、かつトマト生産をしているところで探しました。候補もあまり悩まず2か所にしたのですが、両方とも「まずは体験してください」とのことだったので、実際に農業体験へ行きました。
 体験の時に「小島農園は未来に向かって色んなものを取り入れる方針がある」と聞き、「これからどんどん進化していくのかな。それなら自分にもどんどん意欲が芽生えていって楽しそうだな」と思ったのが、ここに決めた大きなきっかけです。

―ここは家族経営体なので社会保険(厚生年金・健康保険)がありませんが、そうした点は気になりましたか?
 いえ、特に気にしませんでした。親は気にしていると思うのですが、私は「好きなことができて最低限の生活が送れるなら、そこまでこだわらなくてもいいかな」と思っていたので。何より好きな仕事ができているので満足しています。

―仕事に関しては、具体的にどのようなことをされていますか?
 当農園ではキュウリを中心に、夏はトマト、冬はチンゲン菜を生産し販売していますが、今はトマトの管理や、チンゲン菜の播種計画を立てたりしています。
 チンゲン菜は8月頃から種をまきますが、どのペースで播種すれば上手く出荷に繋がるかを考えて計画を立てていきます。ただ、年によって気候も違うので毎年同じようにはいかず、試行錯誤の連続です。また、生育管理や収穫のタイミングの判断がまだ弱いので、そうした点もしっかり出来るようになりたいと思っています。そうした日々の管理や経験を翌年に活かすためにも、作業内容やその日の天気などをほぼ毎日ノートに記録しています。そうすれば問題点が出てきた時に「去年はこうだったけど、こうすれば良いかも」って振り返りもできるので。
 あと、パートさんへの指示出しも担当しているのですが、教えるのがへたくそで…社長が言うには擬音語ばかり喋っているらしいんですよ(笑)。なので今後は、教え方も勉強したいと思っています。

―最後に、学生に一言お願いします!
 自分の好きなことができる環境に身を置くことが大事だと思います。例えばそれが仕事に直結しない場合は、趣味の時間を確保できる会社に就職できればいいのかなと思います。

採用担当者に聞く!

今回は、代表の小島正之さん(写真右)と採用担当の小島裕美さん(写真左)にお話を伺いました。

―どのような採用をされていますか?
 採用の可否は書類選考・面接・体験研修を経て決定しますが、最近は特に人材育成に力を入れています。それは当農園が掲げている「皆が幸せであってほしい」というビジョンを達成するためです。「皆」とはスタッフ・お客様・お取引様・家族・自分たちを指していますが、幸せであるためには強い経営力が必要です。
 そのためには高い人材力が必要だと考えていますが、これまでの採用活動を通し「大学生はやる気があるな!」と感じることが多々あったので、最近は大学生の新卒採用にシフトしました。

―採用の際はどのような点に注目されていますか?
 面接では特に、「自分で考えて自分で行動してみよう!」という方かどうかを気にしていますね。それは、一つは私たちの技術や経験を伝承していきたいため、もう一つは「仕事の経験を通して自分の学びをもってほしい」と考えているためです。あとは、素直さであったり、挨拶ができるか、目を見て会話ができるかなど常識的な部分を見ています。
 また体験研修では、「仕事としての農業ができるかどうか」という点を見ています。応募者の中には有機農業や自然、農村などに憧れてくる方も多いのですが、当農園は「減農薬・減化学肥料で良いものを安定供給する」ことを念頭に置います。そのため体験を通して「思っていたのと違った」といって辞退する人もいますよ。現場作業とイメージは異なる点も沢山あるので、体験研修も大切な項目です。
 なお、菊池が体験に来た時はトマトが1日に2トンも採れる農繁期でした。期間は1週間でしたが、真夏のハウス内での作業はかなりキツいので「これに懲りてこないかな…」と思っていたのですが、本人はそう思わなかったようで、「やる気があるな。芯があるな」と思い採用しました。

―条件面では家族経営体のため社会保険が整備されていませんが、そうした点はどのようにお考えですか?
 やはり「会社」である方が働く側の安心感が増すと思うので、今まさに法人化を目指しています。しかし大事なことは、「法人」の看板を掲げる前に、給与体系や有給休暇、長期休暇など働く人のために中身を整備することだと思うので、今はその点に力を入れています。
 残念なことに、法人化をしていてもそうした面が整備されていない会社もあります。だからこそ学生さんには、どの経営体であっても、経営者が雇用者に対してどのような考え方を持っているのか、またスタッフの雰囲気なども知り、自分に合った農業に出会ってほしいと思います。

農園概要

企業名 小島農園
URL http://kojimanouen.com/
本社 千葉県旭市足川233-1
従業員数 10名
事業概要 野菜の生産・販売
農場面積 施設野菜1ha(33棟)、露地野菜2ha、水稲1ha
売上高 7,000万円
代表者 小島正之

公式サイト

 公式サイト または マイナビ2019 より
・小島農園⇒ http://kojimanouen.com/
・マイナビ2019⇒ https://job.mynavi.jp/19/pc/search/corp224247/outline.html

【Special Thanks】
小島農園さんは、株式会社あぐりーんさんよりご紹介いただきました。

株式会社あぐりーんは、農業求人サイト「農家のおしごとナビ」を企画・運営しています。 求人情報の提供をはじめ、農業界を志す学生を対象としたお仕事紹介サービス「アグキャリ2019」なども運営。農業の就職相談も行っています。
[公式サイト] https://www.agreen.jp/


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