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農業者インタビュー >株式会社バラの学校(千葉県飯山市)

「花で起業」
株式会社バラの学校 代表取締役 中井 結未衣さん

「家に花もないなんて」という友人の一言をきっかけにフラワースクールに通い始め、その十数年後にはバラ農家として起業を果たした中井結未衣さん。「まさか自分が農業をするなんて思いもしなかった」と笑う中井さんに、今日までの歩みや今後の目標を伺いました。

△ 株式会社バラの学校 代表取締役 中井 結未衣さん

(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」41号/2017年冬号より転載)

バラと向き合い起業&就農。可能性は無限大!

―まずは事業概要を教えてください。
 メインは食用バラの生産です。食用にこだわったのはバラの効果を最大限活かすため。バラの香りは脳に直結し女性ホルモンにとてもいい効果をもたらしますが、バラ本来の香りを出したり薬効を活かすには無農薬栽培が適しているので、2万種類以上あるバラの中から病害虫に強く、かつ色合いを考えながら、300種類ほどを選定し育てています。

―300種類というのはバラ園では多い方なのですか?
 多くのバラ園は2~6種類を広い敷地で効率よく大量に育てているので、それに比べると多い方だと思います。
 当園は狭い面積で多品種を少しずつ育てているので非効率ではありますが、それを武器に差別化を図ることもできます。バラを使った商品開発にも取り組んでいますよ。薔薇エキスや薔薇ジェラート、薔薇のお豆腐など、思いつくものは何でも作っています。
 事業としては、食用バラの生産・加工・販売、そしてこの3つをお伝えする教育事業があります。なお、当社スタッフの大半は女性です。女性が働きやすい職場づくりを意識しながら、女性ならではの感性でお客様のこだわりやニーズにお応えできるサービスを目指しています。

―だからバラの「学校」なんですね!ところで中井さんは東日本大震災で花の威力を知ったことをきっかけにバラ農家を目指されましたが(※表参照)、就農に向けて何から始めましたか?
 はじめは「バラの苗と土地さえあればバラ園ができる」と思っていたので、県庁に電話をして土地を紹介してもらえないか聞きました。実はその時は、バラ生産=農業という意識もなかったんです。その担当者から「就農計画を持ってきてください」と言われたので分からないなりに作成し持っていくと、見ただけで農業の知識のなさを見抜かれてしまい(笑)、「まずは1年間バラ園で研修してください」と言われ、広域公園のバラ園管理を手伝うこととなりました。その場所は栃木県。当時私は東京都内でお花の会社を経営していたので、週に2~3回現地まで片道4時間かけて車で通いました。おかげでバラ生産を一から学ぶことができましたよ。とても貴重な時間でした。
 もし新規就農したい方は、遠回りに感じても修行に出る方がいいと思います。たとえそれが自分の理想とは違うやり方でも、必ず得ることはありますから。

● 中井さんヒストリー
‘95年頃 友人に「家に花もないなんて」と言われ、フラワースクールに通いだす。実はそこはプロ養成所だった。
‘99年頃 友人に勧められプリザーブドフラワーを作り始める。インターネットが普及し始めた頃で、自身でホームページ(HP)を作り掲載したところ、検索トップに出る。
‘00年 HPを見た大手通販会社から大量注文が入りダブルワークを断念。関西から上京し、表参道(東京都)でプリザーブドフラワーを中心とした花屋を始める。
‘11年 東日本大震災の被災地へ花を届けた際、「お花を待っていたの!嬉しい!」と喜ばれる姿を見て、花の威力を認識。 「花=もの=お金」であった自身の意識が変わり、花と向き合うことを決意。
‘12年 栃木県でのバラ園研修を経て、千葉県館山市に移住・就農。

―すごいですね…!その後、新規就農される上で困ったことはありましたか?
 移住先での人付き合いと農地の選定ですね。移住なので当然人付き合いも一から作っていくことになりますが、農業も田舎暮らしも初めてなので、地域の方との距離の取り方に悩みました。
 農地に関しては、ここは自分で見つけて約5年前に移住したのですが、今年は塩害で葉が全て枯れてしまって…、海が近く台風等があると塩害が発生するなんて移住後に初めて知りました。バラの樹は最近ようやく復活し始めましたね。

―それは死活問題ですね…。
 農地を選定する際は気候も重要なので、空気や水、土の感触や音など全身で感じることが絶対に必要ですね。可能ならばそこに住むなり通うなりして四季一回分を過ごした方が良いと思います。
 あとは、一カ所だけでなく色んな場所に足を運ぶ方が良いと思います。私の場合は全国各所バラ園があると聞けば大小関係なくすべて見て回りました。実際に足を運ぶことで「自分ならこうしたい」というイメージも湧くと思います。

―アドバイスありがとうございます。最後に、今後の展望を教えてください!
 夢はバラのホテルを作ることです。一歩入ったらバラがわぁって飾られていて、バラ風呂、バラシャンプー、バラエステなど、身にまとうもの・目にするもの・香り、五感すべてがバラ!という空間を作りたいと思っています。実はいま鹿児島県でもバラ園を開園しようと思い開墾と定植をしているのですが、そこは夢のイメージに近い場所でもあるんですよね。生きてるうちに実現できれば…夢ですけどね(笑)。


リンク

 株式会社バラの学校
⇒ http://www.baranogakkou.co.jp/



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