「飛ばせ!トマトと経営力!」
石原農園 代表 石原雅大


(※当社発行の農業フリーペーパー「VOICE」33号/2015年冬号より転載)

プロフィール

氏名: 石原 雅大(36)
出身: 愛知県愛西市
略歴: 三重大学卒業後、1年間の農業研修を経て就農。2010年全国4Hクラブ会長に就任し、1年間の任期を経て勇退。2014年には家業を法人化。従来の家族経営から脱却し、永続的に続く農業経営を目指して奮闘中!

飛ばせ!トマトと経営力!

―「農業しよう」と思ったのはいつ頃ですか?
 小学生の時ですね。「目立ちたい!」と思ったのが原動力です(笑)。僕は実家が農家で、同級生はみんなサラリーマン家庭だったので、「俺は農家になる」って言ったら目立てたんですよね。
 きっかけはそんな感じでしたが、歳を重ねるにつれて「農業ができる環境は大きな資源でもある」と気付きました。実家は水耕栽培でトマトを作っていたので、大学卒業後1年間、県内の水耕トマト農家さんの元で研修をし、家業へと就農しました。

―現在の経営規模を教えてください。
 8連と4連のハウスが各1棟あり、面積は合計で4反です。この8連ハウスだけで3千~4千本のトマトが植わっています。働き手は父・母・僕とパート5名で、妻は育休中です。長段栽培で大玉トマトとをメインにミニトマトや中玉トマトなど12品種を生産しています。販路は、就農当時は農協出荷がメインでしたが、今は約6割が個人での市場出荷、3~4割が産直、残りが飲食店への直販などです。

―なぜ販路を変えたのですか?
 大きく2つあり、1つは、「僕が届けたいと思う人達にも直接トマトを届けたい」という気持ちが年々強くなったからです。農協はもちろん必要な組織ですが、市場出荷だと、最終消費者の声を直接聞くことが難しいんですよね。その時ちょうど産直ブームがきたので、その波に上手く乗っていきました。
 もう1つは、「自分の給料分は自分で稼ぎ出さないといけない」と思っていたからです。それまでの収入にプラスできる方法として、産直はありだと思いました。決して、「自分の手で全部売ってやる!」とか、大きな野望があったワケではありません(笑)。

―産直を始めて変わったことはありますか?
 目立つことを意識している、ですかね。産直や直販は、目立たないと埋もれてしまうんですよ。目立ち方はいろいろありますが、一つの方法として、来年からはトマトのカラーバリエーションを増やそうと考えています。
 具体的には、ピンク色のゼブラトマトを導入予定です。試験栽培もしたのですが、見た目が可愛くて、しかも美味しいんですよね。

―珍しいトマトですね!新たな品種を導入する際は、どのような点を重視されますか?
 美味いことと、うちの栽培方法に合っていることです。いくら美味しくても、あまりに栽培しづらかったり、作業効率が悪いと、経営的に続けられないですからね。実は、ハウス内の一番端の列は試験栽培用に使っていて、毎年、数種類のトマトを植えています。

―常に挑戦されていますね!今後はどのような事業展開を考えていらっしゃいますか?
 いろいろありますが、一つは当園の目玉である「空飛ぶアイコ」の生産量を増やすことです。トマトはストレスが増すほど甘くなりますが、「空飛ぶアイコ」は頭上に這わせて生長させるので、それだけでストレス過多になります。この栽培方法は、費用対効果は低いのですが、飲食店さんからの需要も高く、今後本格的に取組みたいと考えているトマト観光農園にも活用できるので、より力を入れたいですね。

―最後に、学生に一言お願いします!
 気になったことは全部やった方が良いと思います。自分の学生時代を振り返っても、学生時代は一番、時間がある時期なんですよね。  だからこそ、その時間を活かして、たくさん「点」を作ってほしい。その点を繋いだら、実はすごく蛇行していて、直線で目標に向かっていないかもしれないけど、将来、どこかの「点」が活かせる「線」になる可能性があります。それに、たとえ繋がらない点がたくさんあったとしても、その経験は将来絶対に活きてくるので、一生懸命いろんなことに挑戦してください!

ちょっと気になる一問一答

Q 趣味は?
A カメラ、スノーボード、音楽。メタルが大好きで、袋詰めしながらメタルばっか聴いています(笑)

Q 好きな農作業の瞬間は?
A 一日中、トマトのわき芽掻きや誘因作業をしている時ですね。無心に作業しながらも、いろんな事を考えられる貴重な時間です。

Q 好きな農機具は?
A 自分の指ですね。わき芽掻きなど細かい作業が多いこともあり、道具よりも指の方がよく使います。それに、トマトを触ると湿度が多い・少ないなど健康状態もわかるので、指は大事ですね。

Q 好きな女性のタイプは?
A 綺麗で、尊敬できる人。自分のできないことができる人は尊敬できますね。あとは・・・秘密です(笑)

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